■ ID | 808 |
■ 種類 | 総説・解説 |
■ タイトル | 樹木衰退現象を考える−現地調査の重要性 |
■ 著者 | 小川和雄
埼玉県環境科学国際センター |
■ 出版元 | 日本環境学会 |
■ 出版年 | 2008 |
■ 誌名・巻・号・年 | 日本環境学会誌「人間と環境」、Vol.34、No.3、179-182、2008 |
■ 抄録・要旨 | 1980年代後半から関東地方のスギ枯れが酸性雨によるものと話題となって以降、丹沢のモミ、ブナ、赤城山のシラカンバ、ダケカンバ、日光白根のシラビソ類、ブナ、奥秩父のシラビソ等の衰退等が次々と報告された。その後も山岳部で衰退木が見つかっては、雨のpHを測定しただけで酸性雨が原因では、と報道されることが多かった。現在では、これらは専門家の間では一部を除き、酸性の雨(酸性雨)の影響とは考えられていないが、何故、このように「酸性雨による樹木衰退」が広まったのか、最大の理由は研究者の現地調査の不十分さであったことを指摘した。例えばスギ枯れは同一場所であっても衰退度は、孤立木>突出木>林冠木と異なっていたし、亜高山帯のシラビソ衰退も縞状に立枯れており、こうした現象を実際に現地で自ら調査していれば、酸性雨を仮定することなどありえないものであった。こうした事例を紹介することで、樹木衰退に限らず、環境研究は初めに十分な現地調査を行うことが大切であることを強調した。 |
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